2026年9月14日(月)から16日(水)までの2泊3日、兵庫県淡路島のウェルネスパーク五色 浜千鳥にて、大塚ゼミの2・3年生による夏合宿を行いました。今回は4年生も任意で参加し(総勢33名)、学年の垣根を越えて議論と共同作業に取り組む3日間となりました。
ディベ王 3回戦
これまで続けてきた学年混成のディベート大会「ディベ王」の3回戦を、合宿中に実施しました。論題は、流通・外食の実在企業を題材にした2つです。どちらも「限られた経営資源をどこに、どの事業に振り向けるべきか」を問う論題です。各チームは合宿前から決算資料を読み込み、店舗での実地調査を重ねて立論を準備しました。否定側には、反対するだけでなく「代わりにどこへ投資すべきか」という代替案を一つに絞って示すことが求められました。
第1試合
「バローホールディングスによる関西(京阪神)への出店加速は、同社の企業価値を高める。是か非か」
肯定側:高橋、岩間、野田、長谷川、永井、石木、本田、大江、水野
否定側:櫻井、森、本間、岩室、山口、若宮、山本、小林
結果:肯定側2票、否定側3票で否定側の勝利

第2試合
「サンマルクホールディングスは、喫茶事業(サンマルクカフェ)への投資を拡大すべきである。是か非か」
肯定側:近藤、鈴木、中澤、新沼、加藤、早川、安宅、滝川
否定側:山田、太田、立浦、須田、林、武内、横井、服部
結果:肯定側1票、否定側3票、引き分け1票で否定側の勝利


輪読
90分の輪読では、P.コトラーほか『コトラーのマーケティング4.0』第5章と、2026年7月に刊行された『コトラーのマーケティング6.0』第2章を、ジグソー形式で読み合いました。4.0では、従来の購買行動モデル(4A)がなぜ5A(認知・訴求・調査・行動・推奨)へと作り替えられたのか、その根拠と手順を学びました。6.0では、リアルとデジタルを区別せずに行き来する「フィジタル・ネイティブ」と呼ばれる世代の消費行動を学びました。「既存のモデルの何を、どんな根拠で、どう変えるか」という視点は、続く一夜漬けプレゼンでのモデルづくりの土台となりました。
一夜漬けプレゼン
合宿恒例の「一夜漬けプレゼン」では、3班がそれぞれくじで淡路島の商品(淡路の線香・大江のり・淡路島牛乳)を割り当てられました。各班は輪読で学んだ5Aをベースに、フィジタル・ネイティブの購買行動モデルを考案しました。そのモデルをもとに、名古屋の若者に向けたプロモーションを一晩で設計し、翌日に発表しました。質疑では、自班のモデルがほかの2商品にも当てはまるかが問われ、モデルの汎用性が試されました。
採点は学生と教員による120点満点の評価(平均点)で、結果は次のとおりです。
| 評価項目(満点) | 1班 淡路の線香 | 2班 大江のり | 3班 淡路島牛乳 |
|---|---|---|---|
| モデル(60) | 30.0 | 32.4 | 30.3 |
| プロモーション(30) | 14.7 | 14.6 | 15.9 |
| 撮影と実測(10) | 5.3 | 6.2 | 6.2 |
| プレゼン技術(15) | 8.0 | 9.5 | 9.3 |
| 質疑応答(±5) | −0.1 | +1.1 | −0.5 |
| 合計(120) | 57.9 | 63.8 | 61.2 |
| 順位 | 3位 | 1位 | 2位 |
3班とも合計は満点の5割前後に収まり、各項目の差も数点以内の接戦となりました。優勝した2班は、配点の最も大きいモデルで唯一30点台前半に届き、モデルの名前と図、汎用性の評価で他班を上回りました。さらに、他商品への当てはめを問う質疑応答でただ一つプラス評価を得たことが勝敗を分けました。3班はプロモーションで最高点を獲得し、特に名古屋への地域展開の考え方が評価されました。一方で、モデルの点数はどの班も満点の半分程度にとどまり、「5Aの何を、どんな根拠で変えるか」を一晩で詰め切る難しさも表れる結果となりました。
交流と振り返り
プログラムの合間には、淡路島産の食材を使った料理を部屋ごとに作ったり、バーベキューを囲んだりして、学年を越えて交流を深めました。反省会では、チームごとにこれまでの活動を振り返り、今後の方向性について話し合いました。4年生にとっては最後の合宿となり、先輩から後輩へ多くの助言が引き継がれる機会にもなりました。勉強が終わった後は、恒例の花火大会も実施。夏の終わりをみんなで楽しみました。

参加者の声
合宿後のアンケートには16名から声が寄せられました。その一部を紹介します。
「一夜漬けプレゼンでは、集めた情報をそのまま並べるのではなく、情報同士のつながりを考え、限られた時間の中で何を根拠として使うのかを判断する必要がありました。情報を集める力だけでなく、集めた情報から考えを深める力が重要だと学びました。」(2年)
「2回戦まではまだ頼る部分が多かったのですが、3回戦では自分たち中心で進めることができました。大変だけれど、本気でやるからこそ得られる達成感や成長を感じられたように思います。」(2年)
「ディベ王で4年生と久しぶりに一緒にディベートを行い、先輩としての姿勢や教え方を学ぶことができました。最上学年になっても、先輩方を見習って頑張ります。」(3年)
「作業期間に、4年生の先輩が組み立てる論の柱の立て方や、後輩への教え方から多くのことを学びました。」(3年)
「ディベートでも一夜漬けでも、自分の意見をきちんと伝えることの重要性を理解できました。できないと思わず、自信を持ってやればできるようになります。」(2年)
「何を選んでも、失うものと得るものがある。答えがひとつに定まらない課題を考える上で、価値を見極める目を鍛えていきたいと思いました。」(2年)
「このゼミに入ったから成長するわけではありません。勝つべくして勝つディベートのために、地道な努力が一番の近道です。」(3年)
「初めてのことばかりで大変なのは全員が通る道。同期で手を取り合って一緒に頑張れたらと思います。」(2年)
「きついのは事実だけど、それを忘れるくらい楽しかった。いい想い出です。」(2年)
淡路島観光
最終日は、2年生が中心となって宿泊先の片付けを行い、チェックアウトの後、貸切バスで淡路島内を巡りました。あいにくの雨模様となりましたが、花と動物のテーマパーク「イングランドの丘」と、大鳴門橋を望む「うずの丘」では、幸いにも記念撮影のときには雨があがりました。うずの丘では、淡路島名産の玉ねぎをかたどった大きなオブジェも見学しました。前日までのディベートや一夜漬けプレゼンで向き合ってきた淡路島の産品や地域の魅力を、自分たちの目で確かめる機会となりました。夕方に新神戸駅に到着し、3日間の合宿を締めくくりました。



(投稿者 大塚)



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